―― 1990年代を通じて「コールド・ジャパン」現象が一気に高まったということですね。
出井 中国に行くと「日本の90年代の失敗は繰り返すな」という記事はかなり出ていますよね。
僕も何度か言われたのですが、中国人がまじめの顔をして、「出井さん、日本では行き先のない道をつくっている、って本当ですか」と(笑)。どういうことかと尋ねると、県道と国道が並んでいて車が1台も走ってない道があるんですよね、と。その行き先に何か小さなエアポートがある、と。このまねだけはするまいと中国の人たちが言っているそうです(笑)。
―― 「行き先のない道」・・・寂しい表現ですね。高度成長で頂点に達して、行き場がない道をつくらされているような仕事ばかりが増えてきた。
出井 Road to nowhere。そんな道は日本の象徴じゃないですか。一生懸命やって成長していると嬉しいですよね。ところがみんな成長しなくなっちゃったから。


